nontitle

ささやかだけど心に残る毎日を

裁判傍聴に行ってみた

有給休暇を利用して初めて裁判傍聴に行ってきた。
何年も行ってみたいと思いつつ勇気がなかった。


裁判所のエントランスにいけば当日開かれる裁判をチェックできるものらしいが、田舎だとそもそも裁判が行われていないこともあるらしい。
電話で問い合わせられるのか微妙だったが、この暑い中出かけて無駄足になるのは避けたいと思い、勇気を振り絞って地裁に電話してみた。
結果、すんなり教えてくれた。


そして気になる身なり。
ジーンズにTシャツでOKなんて情報もあるし、それなりに綺麗な格好で行った方が無難なんて情報もある。
わたしは無難な白いシャツで行った。ただし、傍聴することで凶悪犯に目をつけられて報復でもされたらかなわんので、眼鏡をかけた(良く見たかったってのもあるけど)。


本日は4件の裁判を傍聴した。
印象に残ってるのは1件め(新件)と4件め(判決)。


【1件め】
道路交通法過失運転致傷、被告人は女性。

どこにでもいる小綺麗な少し年上の女性で、「こんな普通な人が」と思いながら見ていた。最初は!


被告人は、しこたま酒を飲んだ後、車を運転して事故を起こしている。
しこたまもしこたまで、飲み屋やホストクラブをハシゴしているし、当日の飲み代は十数万円に及んでいる。
普段、車の時はお茶しか飲まないように心がけ飲むなら代行を依頼するなどしていたという。事件当日は、タクシーか代行で帰ろうと思ったが捕まらず少し車内で休んで落ち着かせてから帰ったという。休んだ時間は30-40分。
初めての飲酒運転で事故を起こしたと言うが…


ちなみに、被告は20年以上前にも車で事故を起こしこの時は相手にも非があったとはいえ、相手方は亡くなっている。

事故を起こした車は高級外車で、事故後免停となり被告は自転車生活をしているという。車は、修理後、家族が使用したというが、その家族も事故を起こしその車は廃車になったらしい。

ここんちの人たち、車の運転の才能が無さすぎる。いや、才能以前に最低限のルールは守ろ?


昼食をとりに外に出ようとしたところ、その女性と弁護士さんを見かけた。

ほんと、普通の人なんだよなぁ。


車を運転する身としては、少しは共感できる部分があるかもしれないと思ったが、全く共感できない。
ほんとはいつも飲酒運転してたんじゃないの?と言いたくなってしまうし、裁判長もそんな様なことを言っていた。



【4件め】
4件めは覚醒剤取締法違反の被告人女性。
こちらは判決のみだったのだが、待合室で遭遇した被告人の身内のキャラが強すぎた。

少し時間があったので待合室で待っていたのだがそこに現れた3人。身内かな?と思いながら持参した本を眺めていた。聞こえてくる会話は何か汚かった。声の質?発音?滑舌?きっと歯がない感じ。堅気じゃない感。「いやいや、偏見やめよう」と心の中で念じていると、ダメージ加工されたサマーニットを着た女性の背中に立派な刺青。
あっちのもんやー!

「連れがパクられた」
「子どもにはお巡りさんは敵だって教えてる」

この人ら、マジか。
人前でこんなこと堂々と言う人は初めてで動揺してしまった。


法廷に入って被告を見た感想は「あーね」である。だけど普通にその辺に居そうな、ヤンキーお姉ちゃん。それなりに身なりを整えたら、インスタの中にいそうな子。

判決の経緯を聞くと、かなりの覚醒剤常習者である。
若いので立ち直って欲しいけど、彼女の周囲の人と思しき方々の言動を見ていると本当に更正できるのか?と思ってしまう。






普通ってなんだろ?と思った1日だった。


きっと今日見た被告人4人は彼らの普通の中で生きてる。
だけど、それはわたしの普通とは違って全く共感できなかった。
生まれ育った環境がいかに人間形成に影響するか。


わたしって、綺麗な場所で生きているんだなぁ。
オオサンショウヒトだな。
ホストクラブとかクスリとかそんな刺激はないけれど、おやつに喫茶店ピザトーストを頬張る人生でいいじゃない、と思った。


(これはおやつ。ランチもしっかり食べてます。)